お子様の場合も、虫歯治療を行った際に被せ物を使用することがあります。
しかし、その被せ物の形状や大きさ、高さが適正でない場合、“虫歯は治ったのに、咬み合わせの問題が生じた”ということが起こります。
これから歯並び、身体が成長していくお子様にとって、咬み合わせの乱れは大きなリスクとなります。当院では、現在の咬み合わせの状態を検査した上で、被せ物を調整したり、必要に応じて交換する治療を行っております。
咬み合わせの乱れの放置が伴うリスク
虫歯のリスク
お口の自浄作用といえば、“唾液”を思い浮かべるかもしれません。しかし実は、咬み合わせもお口の自浄作用に貢献しています。
上下の歯がしっかり咬み合うことで、歯面の汚れが自然に落ちます。反対に咬み合わせが悪いと、汚れが溜まったままになります。自然と、虫歯のリスクが高まってしまいます。
顎関節症のリスク
咬み合わせが悪い部分があると、無意識に咬み合わせの良い部分で食べ物を噛む習慣が身についてしまいます。
顎にかかる負担で左右差が生じ、顎関節症のリスクが高まります。
顔面の歪みのリスク
咬み合わせが乱れているために左右どちらかの顎で食べ物を噛む癖がつくと、顔面の筋肉の発達にも左右差が生じます。将来的に、顔面の形状、表情に歪みが生まれるリスクが高まります。
身体のバランスが乱れるリスク
咬み合わせの乱れは、顎の発達の左右差に留まらず、肩、全身へと波及していきます。特に身体が成長する時期に放置していると、将来的に身体の左右のバランスの乱れが生じる原因になります。
被せ物の調整による咬み合わせ改善
被せ物の形を整える
咬み合わせの乱れの原因となっている被せ物を削るなどして、形を整えます。
被せ物を交換する
咬み合わせの乱れの原因となっている被せ物を、新しい被せ物に交換します。形、咬み合う部分の形態を変更することで、全体の咬み合わせを大きく改善できることがあります。
咬み合わせのセルフチェック
咬み合わせが良いのか悪いのかを正確に知るためには、歯科医院を受診する必要があります。プロの目で、咬み合わせ、歯並び、顎の状態を総合的に診察してもらうのがもっとも確実です。
参考までに、ご家庭でできる咬み合わせのセルフチェックをご紹介します。お子様が一つでも該当する場合には、当院にご相談ください。
「い」の口で左右のズレをチェック
大きな鏡の前などで、「い」と声を出すときのお口を作らせてください。そのとき、前歯2本の隙間が上下の顎で揃って、一直線になっていますか?
左右にズレている場合には、咬み合わせが乱れている可能性があります。
「い」の口で顎関節の左右のズレをチェック
大きな鏡の前などで、こめかみの真下にある、頭蓋骨と顎の骨の隙間に、保護者様の人差し指を当ててください。
お子様は、その状態で「い」の口を作り、ゆっくりと口を開け閉めします。そのとき、保護者様の指に伝わる感触に左右差はありませんか?また、ガクッ、カチッといった音が伝わってこないか、確認してみてください。
指に伝わる感触に左右差があったり、音が鳴っている場合には、咬み合わせが悪かったり、顎関節に異常が生じている可能性があります。
口の開け閉じの音で奥歯をチェック
まっすぐに立つか座るかした状態で、上下の歯を軽くぶつけるように何度か咬ませてください。左右の顎で音が違う、片方からしかきこえないという場合には、咬み合わせが乱れている可能性があります。
軽く歯ぎしりをして被せ物の高さをチェック
まっすぐ立つか座るかした状態で、上下の歯を軽く擦り合わせ、歯ぎしりをさせてみてください。そのとき、どこかで引っかかったり、滑らかに動かなければ、咬み合わせが乱れている可能性があります。